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2017 個展 Letters

 

こえをきく

 外へ出るのよ。野原へ出て、自然と、日光の恵みとを楽しむのよ。自分自身のなかにある幸福を、もう一度つかまえるように努めるの。あなたのなかと、あなたの周囲とにまだ残っている、あらゆる美しいもののことを考えるのよ。

そうすればしあわせになれるわ! 

――アンネ・フランク『アンネの日記』より

 

預言者

 むき出しの現実の力を理念の力におきかえるなど、いまでも無理なのです。失敗するのは必至です。

法といっても、つきつめればむき出しの暴力にほかならず、「法による支配」を支えていこうとすれば、今日でも暴力が不可欠なのです。このことを考慮しなければ、大きな過ちを犯すことになります。

      ――フロイトの手紙より

 

星月夜

 心が重くつらく苦しく悲しくなると、思い出は心を生き生きと蘇らせてくれます。

ちょうど、暑い一日のあとで、日中の炎熱に焼かれて萎れかけた可哀相な花を、湿気の多い晩に夜露が新鮮に蘇らせてくれるように。

――ドストエフスキー『貧しき人々』より

使者

 われわれはみな一生涯、生命の借り手であり、それゆえに永久に世界に仕える義務があります。

――ガンディーの手紙より

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