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2015 火を運ぶ少女の話
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___『火についての物語』
火は、多義的な意味を持つ言葉である。
それは希望であり、真理のメタファーであり、文明の象徴であると同時に、兵器であり、災いであり、罰でもある。
〈火の起源〉については古代ギリシャのプロメテウスを始め、世界中に数々の神話があるが、その多くは、神や動物から盗んだものとして伝えられている。人が人外の技として火を畏れつつ、その力を渇望してきたことの表れだろう。
神話の昔から脈々と火を受け継いできた私たちだが、火をどう扱うべきか、考えねばならないところに来ていると感じる。エピ・メテウス(後に考える者)でなくプロ・メテウス(前に考える者)として。
その見つめ直しのために、私は依り代(よりしろ)の火に仕える少女の絵を描いた。時を越えて火を運び続ける少女は、どこへ導かれるのだろうか。そして火はどんな世界を作り上げ、照らし出すのだろう。
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